◎ 一年間の主な祭事(兼務神社含む)

〇元旦祭(歳旦祭)

 元旦祭は歳旦祭(さいたんさい)ともいい、名前の通り元旦に行われるお祭りです。

 元旦は年・月・日の3つの元(はじめ)の日であり、祝詞にも『新しき年の、新しき月の、新しき日の、今日の朝日の豊栄昇りに御賀の寿詞仕奉る』とあり、年の初めに氏子・崇敬者の一年間の弥榮(いやさか)と繁栄を祈るお祭りです。

 

 新年になると、農耕神とされる年神さま(陰陽道で歳徳神)が家にやってくるとされ、神社では境内でかがり火を焚き、各家でも囲炉裏のある頃には一晩中、火を燃やし続けて、夜を徹して忌み籠り年神さまをお迎えする風習がありました。

 その風習がだんだんと転じて、真夜中に12時を境に氏神さまに初参りをする「初詣」の習慣となったようです。

〇祈年祭

 2月17日を中心に全国の神社で行われているお祭りで、その年の稲の豊作を神様にお祈りするお祭りです。

 「祈年(としごい)の祭り」とも呼ばれ、「トシ」とは稲を表し、「コイ」は祈りや願いを表します。お米をはじめとする

 五穀(米(こめ)、麦(むぎ)、粟(あわ)、豆(まめ)、黍(きび) または 稗(ひえ))の豊かな稔りをお祈りします。

 秋の収穫に感謝申し上げる新嘗祭と共に、神社の祭儀の中でも特に重要な「大祭(たいさい)」となります。

〇春祈祷(ふせぎ)

 春祈祷は、古くは豊作を祈念する春のお祭りでしたが、併せて悪病退散・除災招福を祈るようになりました。

 別名「ふせぎ」とも言い、「防ぐ」という言葉が転じたもののようで、毎年3月初旬に、その年1年間の悪病除け・五穀 豊穣・無病息災の願いを込めてお祭りされています。

 地区によって相違はありますが、通常その地区の氏神様で春祈祷の祭典を執り行った後、御神体である「お獅子さま」の 獅子頭を神輿の中に入れて村中の家々を一軒一軒回り、悪霊を祓って歩きました。

〇例大祭

毎年4月20日前後の日曜日に「ダイダイ」と呼ばれる平心講(八枝神社の崇敬者団体)の講社大祭が行われます。この「ダイダイ」とは、太々神楽を奉納することに由来します。

平心講の各講社は、お獅子さまを借りて町内を渡御するのが中心の目的となっていますが、「ダイダイ」では各講社の代表数名が代参し、御祈祷を受け、それぞれの講社で定例になっている御神札などを受けて帰ります。

各兼務社においても、神社の創建をお祝いするお祭りとして毎年おこなわれ、地域の皆様の家内安全・無病息災などを祈念いたします。

〇夏祭り(祇園祭)

祗園祭(ぎおんさい)は別名「天王祭」とも呼ばれ、今から一千年以上も前の平安時代中期(八六九)、京都の都に疫病が流行したときに疫病退散のために八坂神社でおこなわれた祗園御霊会(ぎおんごりょうえ)が起源とされています。 
 夏は疫病・害虫・風水害など不安の多い季節であり、それは悪霊や疫神の活動によると考えられてきました。夏祭りはこれらの悪霊を鎮め、災害を除去するために素戔嗚尊(すさのおのみこと)を神輿(みこし)という乗物にお乗せして地域を神幸し、祓い清めていただくお祭りです。

京都の八坂神社をはじめ、素戔嗚尊(すさのおのみこと)をお祀りする全国の氷川社・八雲社・天王社・祗園社と呼ばれる神社で、七月十四日を中心に疫病退散・五穀豊穣・厄除招福を祈念して盛大に行われています。

〇お日待ち

 10月15日を中心に行われるこの「お日待ち」のお祭りは、秋の収穫に時期に前夜から潔斎して寝ずに日の出を待ち、

 太陽の恵みに感謝するという、わが国固有の太陽信仰がもとになっています。

〇新嘗祭(にいなめさい)

 新嘗祭はシンジョウサイとも呼ばれ、11月23日に宮中を始め、全国の神社で行われています。特に宮中では天皇陛下 が自らお育てになった新穀を奉るとともに、感謝申し上げ、御自らもその新穀をお召し上がりになります。

 収穫された新穀を神さまに奉り、その恵みに感謝し、国家の安泰、国民の繁栄をお祈りします。農耕文化を中心としてき た日本のお祭りの中でも、特に重要なお祭りとして祈年祭と共に「大祭」となっています。

 今では、勤労感謝の日として国民の祝日になっていますが、もともとは新嘗祭の日なのです。

〇大祓(年越しの祓)

 1年間の罪・穢れを御神前でお祓いをし、身体健全・無病息災・除災招福を祈るお祭りです。

 直接、御神前にてお祓いを受ける代わりに、「人形(ひとがた)」と呼ばれる紙に息を吹きかけ、氏名・年齢などを書いて

 身体をなで回し、罪穢れを移してから祓い清めます。その後、神職がお祓いした「人形」を川に流します。

 6月の末に『夏越大祓』を行っている神社も多くあり、茅の輪くぐりなどで無病息災を願います。