平方・橘(たちばな)神社
住所・・・上尾市平方2124
御祭神・・・素戔嗚尊(すさのおのみこと)
氏子地域・・・上宿、下宿、南、新田、上野、上野本郷、領々家、西貝塚
当社の本殿の背後には、樹齢約八〇〇年と推定され、幹回り五・七五メートル、高さ二〇メートルにも及ぶ欅(けやき)の巨木(市指定天然記念物)がそびえている。遠望するとこの欅が当社の神籬(ひもろぎ)(神の依(よ)り代(しろ))のようにも見え、その威容は、まさに御神木と呼ぶにふさわしい。
元禄七年(一六九四)の「平方村寺社地御改之覚」(福田家文書)によれば、当社には文明三年(一四七一)銘の額(現存しない)がある旨が記されていることから、それ以前の創立であることがわかる。また、口碑に創建当初は現在の平方小学校の東の「氷川山」と呼ばれる所にあったとも、平方新田の字在家にあったとも伝えられる。しかし、当社が当地に移った時期については伝えがなく、また、境内の大欅の樹齢から考えても、遷座があったとしても相当昔のことであろう。
『風土記稿』平方村の項に「氷川社 村の鎮守なり」と記されているように、当社は元来は大字平方だけの鎮守であったが、明治四十年に平方地内の稲荷社・神明社の二社、及び西貝塚の村社稲荷社、上野の村社神明社、上野本郷の村社稲荷社、平方領領家の村社氷川社を合祀し、社号を「橘神社」と改めた。その社名はかつてこの辺りを橘の里と称していたことにちなむものである。本殿及び拝殿はこの合祀を機に建立されたもので、古い本殿は同じ大字内の八枝神社に移され、今も同社の本殿として使われている。
氏子区域は大字平方(上宿・下宿・南・新田)の四地区と、上野・平方領領家・上野本郷・西貝塚の合計八地区で、年間の祭典は正月の歳旦祭(さいたんさい)、二月の祈年祭(きねんさい)、十月の例大祭(お日待ち)、十一月の新嘗祭(にいなめさい)の四回である。
境内社に「稲荷社」「三峯社」「天王社」「水神社」「神明社」「疱瘡社」「天神社」「雷電社」「琴平社」「愛宕社」を祀る。
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